『外張り断熱住宅』本物はどこ?
外張り断熱住宅は、8年前、松井修三著の『いい家』が欲しいのベストセラーで全国にその名が知られるようになり、近年ダイワハウスの参入で知名度が一段とアップしました。
断熱材を構造材の外に張れば確かに『外断熱』なのですが、首を傾げたくなるような施工で、外断熱と謳っているところがあります。昨日のブログに書きましたが、構造材の熱伝導率が1,4の基礎コンクリートの外部側に断熱材を貼っていないメーカーも沢山あります。ポリスチレンホームの実に60倍も熱を伝えるコンクリートが冬に直接冷気に触れることだけでも外断熱失格です。
土台の下に、基礎パッキンを敷き、床下換気の良さをセールスポイントにしている所も『なんでかな~、理屈が分かっていないのかな~』などと思います。一階の床下の基礎内の空間が外気と言うことは、一階の床下で断熱、すなわち『内断熱』なのです。断熱の基本は、外気に面する所を施工することです。以前から行われている『内断熱』では、一階の床下に面する所、室内から見て外気に面する外壁、室内から見て外気に面する天井に断熱材を入れます。
壁は外断熱なのですが、なぜか天井に断熱材を入れて大手を振って『外断熱です~』と言っている所も多いです。消費者にちゃんと分かるように『外断熱・内断熱併用工法』とでも説明すればよいのに・・と思います。
断熱方法を『内・外』に併用すると、どうしても断熱の欠損部分が起こりやすく、『隙間』から熱が出入りする原因を作ることになりかねません。床下、外壁、天井で断熱をして『外断熱』と言っているメーカーは、家の内部は土台から天井までの四角い部分のみで、基礎内と小屋裏は家の外部なのです。内断熱とおんなじ部分で断熱をしていながら片や外断熱、もう一方では内断熱。どっちがほんとなのかいな~……。
本物の外断熱の家とは、基礎の外側、構造材の外側(壁部分)、屋根タルキの外側が断熱ラインになります。断熱の欠損が無く、断熱材で気密を取り、基礎から屋根まですっぽりと、丁度発泡スチロールの箱のように断熱材で家全体を囲んで初めて『外断熱の家』といえるのです。
まがい外断熱工法が横行する中で、どのようにすれば本物の外断熱を知らしめることができるのでしょうか?……。難しい事です。