断熱、気密、そして湿度・7
構造用耐力面材を外部に張りめぐらすと筋交い工法に比べて各段に気密のレベルが上がりますが、まだハイレベルな気密住宅とは言えません…と言う話の続きです。
気密レベルの値を表す『C値』を0、1~0、3まで上げるには、住宅の床面(床下で気密を取る場合は床面で、基礎の空間を建物内に入れる場合は基礎の外部を気密面とします)、外部に面する全ての壁(屋根の直下の壁、切妻の場合の妻側の一番高い所まで),屋根の外部の壁までの全てを完全に隙間がないようにしなければなりません。(外部に面する天井面で気密を取ることは、『気密面』の捉え方について根本的に間違っていますので天井面での気密は行いません)。『気密を取る』という、とても重要な『気密面』については次の機会に書きます。
基礎空間を室内に取り込む場合の気密施工はいとも簡単で(この場合は、基礎が外断熱になります)、基礎と土台を気密シールやシリコン等で気密をすればOKです。床で気密を取る場合は、まず第一に床の断熱材は、ウレタンボードやポリスチレンフォーム等,板状のものを使用します。(綿状の断熱材では気密が取れません)。近頃は、あまり行われていないと思いますが、床面の受け材として、土台と大引きに垂木を打つ『根太工法』を行い、その根太の間に板状の床の断熱材を入れるという施工方法でしたら床面の気密を取ることはまず不可能です。
床面の断熱施工は、板状の、畳半畳から1帖の大きさの55ミリから65ミリの断熱材を(断熱性能により厚さは異なります)土台と大引きの間に『きちきち』に入れ、隙間が多少でも出来ましたらシリコン等でその隙間を埋めます。板状の床断熱材は、断熱材であるとともに気密材にもなります。気密で重要な事は、気密面を一番外気に面する所で行うと言うことです。床の断熱材を入れましたら、その後『根太』の代わりになり、家の剛性を上げる『剛床合板』を床全体に敷き詰めます。
『剛翔合板』は、畳半畳から1帖の大きさのものを指定されたビスや釘を決められた間隔で土台や大引きに止めます。合板は、柱の部分が切り欠いてありますので、合板を張り終えましたら2次的な気密ですが、合板と柱の隙間をすべて埋めます。この2次的な気密作業は、床のフローリングを張る前までに完了すれば良いですので、慌てる事はありません。
長くなりますので続きは次回で…。