高気密住宅は必要か、否か…?

高気密住宅は本当に必要なのか…。住宅の本を出版している住宅の研究者の中にも『住宅に気密を求める事は必要ない』と言っている人もいるようですが、何を根拠にそのような事を言うのかが私には理解出来ません。

家を建てられるほとんど方が、『初めて』の事なので、一体どのようにすればよいのか、どこに依頼をすればよいのか、何を信じればよいのか…と、住宅展示場に足を運んで色々な住宅メーカーの営業マンの話を聞いたり、書店で本を購入して読んだり、ネットで調べたりなどして、納得が出来て、良かった…と思える家造りをしたいと望まれるはずです。

住宅の高気密化についても様々な意見があると思います。高気密にすることに反対の考えを持つ人は,高気密にすると『家が窒息してしまう』という様にお考えのようです。

確かに現在でも、『現場を知らない、国土交通省のお偉いお役人さん達』が取り決めた、住宅を高気密にする為なのか、壁内結露を防止する為なのか私には理解し難い(どちらもまるで意味がない事ですので、私にはどうでも良い事ですが…)結構厚さがある『ビニールシート』を張らなければならないという施工要領に従って施工すれば、本当に『窒息住宅』になってしまいます。

私の家造りの基本は、昨日まで書きました様に,『家は、呼吸や透湿をしなければならない』という所にある訳ですので、いくら全国で1・2を争える高気密数値である『0、1』と言う気密レベルの家であっても、家が窒息することなどあり得ません。

住宅の高気密が必要であるという事は、以前書きました『農業のビニールハウスに、もし穴が開いていたら寒い冬に夏野菜は育たない』と言う事や、『冷凍食品を宅配便で届ける発泡スチロールで作られたボックスがもし破損していたなら、中に入っている冷凍食品が融けてしまっていた』と言う事を思い出していただければご納得いただける事と思います。

弊社が行う『完成現場見学会』などで、初めてのお客様に『住宅の気密化』がいかに大切であるか…という説明をさせて頂く時に『気密が冬の冷気の浸入をを防いでくれる』という事について良く話す『例え話』があります。時代劇を見られない方には、ちょっとピンとこないかも知れませんが、『ろう城した、あるお城を攻め落とす』と言う話です。

城壁も堅固であり、『名だたる武将が城を守り、難攻不落で名をはせている』という城を正攻法で攻めれば、城を落とすどころか、攻める側の被害のほうが甚大になるというケースです。城の四方、八方を堅固に閉ざした城門を何とかして開けて、兵士を城内に入れなければ城を陥落させることはできません。もし、どこか1か所の門の敵の武将の一人と内通することに成功し、合図に合わせて城門が開けられたとすれば、その門から城外にいる兵士がなだれ込み、場内は混乱して、城を守っていた兵士も打ち破れ、落城してしまう…という下りです。

このたとえ話で何が言いたいのか…と言いますと、気密工事は、完璧でなければならない、何処かでも、僅かな隙間があり、そこから冷たい『冷気』が家の中に入ってしまえば、外気に面する壁にいくら丁寧に断熱材を入れていても無駄になってしまう…という事なのです。

次回は、意味のない『ビニール張り』について書きたいと思います。

 

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