ZEH(ゼッチ)は絵に書いた『餅』
住宅会社の必須課題ともいえる省エネ基準対応や住宅の高性能化、2020年の『省エネ基準義務化』に向けて各住宅会社が『ゼッチ・ゼッチ』 とはやし立てています。しかしながら現段階の『省エネ基準義務化』として求めている数値は、建物内外の温度差が1度の場合の部位毎の熱損失量の合計を外皮等の面積の合計で除した値である『外皮平均熱貫流率』と、冷房期に、部位ごとの日射熱取得率に面積、方位係数を乗じた値を住宅全体で合計し,外皮等面積の合計で除した値である『冷房期の平均日射取得率』の2つしかありません。
お役所の文章は,短くまとめる必要があるのでしょう、解りにくくて難しいと思います。簡単に説明しますと、『外皮平均熱貫流率』とは、住宅の屋外と屋内の温度の差が1度あった時に、『屋根』や室内から見て屋外に面する『壁』『床』それぞれの場所の熱が奪われる値の合計した数値を、屋外に面する全ての面積を合計した数値で割った値の事です。
もう一方の『冷房期の平均日射熱取得率』とは、夏になって冷房を入れる時期に,屋根や外壁などの日射熱を取得する割合に、その面積と方角によって決められている係数を掛けた値を住宅全体で合計して、屋根や、室内から見て屋外に面する『壁』『床』の面積を合計した数値で割った値の事です。
国としては住宅で使用するエネルギーを減少させる為に是非にでも義務化したい『ゼッチ』。しかし、誠に残念なことですが『肝心・要』の『隙間相当面積』いわゆる『C値』の基準設定がありません。熱抵抗数値の良い素材を使用して基準値以上の『UA値』を達成して、それを誇らしげに掲げても『隙間風』が入る家であれば、それはまるで意味のない事になってしまいます。『気密』が良い家でなければ、隙間から家の中に進入した外気が『夏』も『冬』も全ての屋内の天井や壁まで到達してしまいます。特に冬の『冷気』が断熱の有無にかかわらず、それぞれの居室の天井や壁の『ボード1枚隔てた所まで』来ている事に気が付かなければならないのです。
ここ半年前頃から良く耳にする言葉に似ていますが,『最初から気密ありき』でなければなりません。