雨漏りにより腐ったツーバイフォー
昨年、『南側のベランダの1階部分のサイディングが膨れている』と云うご連絡をいただき、お伺いし膨れたサイディングをめっくってみますと、輸入サッシからの水漏れとベランダからの水漏れの疑いがありました。サイディングを下から上に順を追ってめくってみますと、とうとうベランダの一番上までめくるようになりました。
水漏れでツーバイフォーの構造体が腐り、ほとんど原型がないほどでした。耐力用面材の構造用合板も腐ってほとんど役目を果たしていない状態でした。骨組みを作り替え構造用合板の代わりに『ダイライト』を打って補修をしました。その時に、北側のベランダも同様でしょうと…お伝えしていましたが、一年たってこのたび『やはり雨漏りが出始めた…』とのご連絡をいただき、北側のベランダの解体をしてみました。
昨年ほどではない物の、ベランダのアルミ笠木から入った雨水がベランダ上部のツーバイフォーや合板、ベランダに隣接する居室の角の柱にあたる所がおよそ1メーターの高さで腐っていました。ベランダのアルミ笠木から入った雨水がベランダより下に行くだけでなく、30センチ弱ですが上に向かって腐っています。これは、雨水が躯体内に入り、サイディングの張り方が通気が取れない直貼りである為、湿気の抜ける所がなく、朝日が当たって壁の中の温度が上がり、湿気を多く持った空気が上昇して雨漏りした所より上を腐らせているのだろうと思います。
透湿できない構造用合板を使い、通気工法ではない建物で水分や湿気等の湿った空気が、抜け場がなく壁の中にとどまった時に建物をどの様に腐らせているかが判って頂けるかと思います。
昨年の南側のベランダの写真を探して明日にでもご紹介したいと思います。