本当に2025年に日本の住宅の断熱性能は激変するのか?…13
断熱材について、まずは『グラスウール』から説明したいと思います。
グラスウールで断熱施工する建築会社が多いのは、価格が安い、施工が誰でも出来る…という理由で断熱施工コストが下げられるからだと思います。決してグラスウールが断熱材として悪いという訳ではありませんが『断熱欠損』を少なくして施工する事がとても難しい断熱材なのです。
誰でもが、たとえ素人でも簡単に施工が可能だし、また施工している…という事は裏を返せば『断熱の専門家』ほどの施工は出来ていない…という事になると思います。
現在主に使用されているグラスウールは、薄いビニールに包まれた長さや横幅の寸法が定められた完成品です。『ビニール袋に包まれた完成品』…という所が曲者なのです。
ビニールに包まれた断熱材を中身が見えない袋菓子の『ポテトチップス』や『かっぱえびせん』に置き換えて想像してみて下さい。袋菓子の袋がグラスウールを包んでいる袋で、袋の中に入っているお菓子が断熱材です。
断熱材を壁に入れる時には、断熱材のビニール部分をタッカーで柱や間柱に止付けます。袋菓子よりも当然断熱材の方が端から端まで中身が詰まっていますが、断熱材の製品の上下や継ぎ目は直接正面から見た目は切れ目なしに断熱材が入っているように見えますが、意外に表面のビニールだけで肝心な断熱材が欠損しているという事が良く見受けられます。
グラスウールの天井施工については天井のグラスウール施工が実にずさんだった…という所で説明しましたが、天井のグラスウールの完成品の完璧施工は出来なくはありませんがよほど根気よく丁寧に施工しなければ断熱欠損が無い施工は無理です。
横方向は『寄せて寄せて』という気持ちで押し込む様に詰めて敷く、縦方向は拝み合わせをするように詰めて敷く様にしなければなりません。その上、天井吊木や電気配線などが天井裏のいたる所で断熱施工の邪魔をしていますので断熱施工に対する思い入れが無ければ欠損が無い施工は無理と思います。
長くなりましたので、グラスウールを適正に施工するにはどの様な方法があるか?は次回に書きます。