本当に2025年に日本の住宅の断熱性能は激変するのか?…14

グラスウールを壁や天井に断熱欠損がほぼ無い様に入れる方法です。壁については、施工を嫌がられると思いますがビニールに包まれていない『裸状態のグラスウール』で施工するか、あれば…の事ですが、ビニールの袋入りであっても透明で中身の断熱材が詰まっているか、すいているかがはっきりわかる製品を使用する事が重要です。

袋菓子で例えますと、袋が透明であれば中身のお菓子が何処まで入っているかが一目瞭然に判断できます。最善は、やはり『裸』のグラスウールです。硝子の繊維が飛び散って、体に刺さりとてもかゆくなりますが、きつめにカットしてまともに入れれば断熱欠損は発生しません。

天井につきましては袋入りの製品では完璧な施工はなかなか難しいと思います。後で説明します新聞紙で造った断熱材の『セルロースファイバー』の様に送風機械で吹き積らせることができるグラスウールを使用する事が最善だと思います。

送風機で吹き積らせるという施工方法であれば、天井の吊り木や電気配線などを含めてちょうど雪が降り積もる様に全てを断熱材の中に包み込んでしまいます。断熱欠損が無い完璧な断熱層が出来る訳です。吹き込みでなければ施工が出来ない『セルロースファイバー』では、天井の地組にセルロースの粉塵が出ない様に『セルロースシート』を先に張ります。

吹き込み専用のグラスウールも指定のシートがあると思います。壁も天井と同様に吹き込む方が最善ですがおそらくコストが相当かかると思います。吹き込みをするとなれば当然専門の工事店に依頼しなけばならず『誰でも簡単に安く施工できる』という訳にはなりません。

これからは断熱材の厚さと密度も重要になります。断熱等級が6以上になりますと密度が16キログラム~20キログラムの製品を使用するようになると思います。それでも断熱が不足する場合は外部にポリスチレンフォームやフェノールフォームなどを張らなければならなくなると思います。グラスウールは現在外装にしか表示がありませんが、製品の1枚1枚に『厚さと何キログラムであるかという表示』を印刷し、一目瞭然に判る様にすべきだと思います。

私が思う事ですが、現在袋入りのグラスウールを使用している住宅会社は3000万円の家で断熱に掛ける予算はおそらく50万円位だろうと思います。長く住み、家の省エネを左右する断熱工事に架ける予算が建築総額の1、7%位ではあまりにも情けない話です。サッシなどの開口部に掛ける予算がおよそ6~7%ですので、せめてその位は掛けないと夏に涼しく、冬に暖かい高性能の家なんてできるはずがありません。