本当に2025年に日本の住宅の断熱性能は激変するのか?…1

先週のテレビ番組で2025年に我が国の住宅の断熱性能が激変する…という内容の放送がありました。本当に激変するのか…?

その様になれば本当に良いのですが、私は少し首を傾けたくなります。国土交通省が昨年10月に設定した断熱等級があり、その基準で家を造らなければならないという事です。

欧米諸国や中国、韓国に比べてなぜ我が国の住宅の断熱性能が低いのか…?それは、古来から家を造るときは、蒸し暑い夏をいかに快適に過ごせるか…を第一に考えて作り、冬は厚着をして炬燵や火鉢などの局所暖房で過ごして来た国民性にあると思います。

1988年(昭和63年)以前の基準無し(無断熱を含む)が等級1。1989年(平成元年)に設定された、冬はかなり寒い昔ながらの住宅である旧省エネルギー基準が等級2。1992年(平成4年)に設定された、一定レベルの断熱性能を持つ(具体的な指示は何もありませんが…)新省エネルギー基準が等級3。1999年(平成11年)に設定された、品確法ではつい昨年の3月までの最高等級でしたが、世界と較べると非常に低レベルな断熱性である次世代省エネルギー基準が等級が等級4です。2022年4月に設定された断熱材と窓ガラスの性能が等級4以上というZET水準が等級5です。

これでは到底二酸化炭素の削減に追っつかないと(?)同じ年の10月に設定された、一次エネルギー消費量が約30%削減可能なレベル、健康快適と省エネの両立が可能…と誠に抽象的で具体性のない設定が等級6。時を同じくして設定された、一次エネルギー消費量が約40%削減可能。無暖房でも快適に過ごせる…と絶対無理な設定が等級7です。

国は基準を厳しくすればすべてが良くなると思っているようですが、そんなに簡単なものではないと思います。なにせつい1年前の3月まで世界と較べると非常に低レベルな断熱性能基準のまま20年以上も放置してきたのですから…。

長くなりますので続きは後日書きます。