本当に2025年に日本の住宅の断熱性能は激変するのか?…6
前回の続きです。
家を建てられている途中にある住宅本を読まれて『このような家は建ててはいけない』という内容がその時に建築中だったご自分の家に当てはまる所が多くあったようです。その中で、『家が窒息するビニールを壁や天井に張ってはいけない』という内容が衝撃的だったという事と、断熱材は調湿効果がある『セルロースファイバー』を使用するという事に共感された様でした。
相談の内容は、現在出来上がっている屋外に面する壁を全て解体し、グラスウールを処分して新たにセルロースファイバーを吹き込み、ボードを張り、内装を仕上げるまでの見積りをして欲しい…という事でした。
屋根裏も見て欲しいという事で、屋根裏に上る『折りハシゴ』で上がってみましたら、衝撃的な住宅断熱の現状を目の当たりにしました。その住宅会社は、県内の大手会社で断熱に力を入れ、壁には180ミリ位の高性能グラスウールを入れています。天井の断熱材もスケールで調べなかったのではっきりした厚さは判りませんでしたが、おそらく150ミリのグラスウールが2枚重ねで施工してありました。省エネの『グランプリ』も受賞している住宅会社です。
150ミリの断熱材を2枚重ねに施工する…という施工基準までは良かったのですが、何とも施工状況が最悪でした。断熱材の種類と長所・短所は次の機会に書きますが、ビニール袋で包まれたグラスウールやロックウール等の断熱完成品を天井に断熱欠損なしに敷く事はよほど断熱施工に思いを入れ込めている人でないとなかなか難しいものです。
真夏は、屋根裏温度が50度近く、軒先の方は高さが無い施工しにくい屋根裏に入って、断熱施工の妨げになる電気配線や吊り木の所を1ヶ所1ヶ所断熱材を丁寧に必要最小限にカットして敷きこまなければ欠損が無い断熱施工はとても無理です。袋に包まれた完成品グラスウールの施工は、ほぼ100パーセントの大工さんが床に脚立を建てて下から断熱材を敷き込んでいます。このやり方ですと電線や吊り木の所をカットしながら敷いても欠損が無い断熱施工は難しいものです。
長くなりますので続きは次に書きます。