高さが高い押入れの理想的な回転棚

押入れの中断の棚の高さを棚下に子供さんのおもちゃを入れるために予定していた高さより高く造ることになりました。リビングにある押し入れですので布団等を入れる計画はないという事で、小物を入れる棚にしたいと云うご要望でした。小物を入れる棚であれば、約90センチもある深い奥行きの棚を造っても奥にある物を取り出すことは出来ません。かと云って、手前を使わず奥に棚を造っても使い勝手が良いとは言えません。

はて、どの様にすべきか…?。いろいろと悩んだ結果、回転棚を造る事を思いつきました。現場で打ち合わせをさせていただいた時は、ただの構想だけでしたので実際に造る事は大変だろうと思っていました。お施主様からも、実際に造る事は大変そうなので、奥の方に奥行きが狭い、ごく普通の棚で良いです…と言っていただいていました。

大工さんの工事が終了する間際に、本棚や食品庫等の可動棚の製作をします。回転棚を造る事は、最後の最後まで迷いましたが、押し入れ内の横と奥行きの実寸を測り、回転棚の原寸図を描いてみて製作する事にしました。

写真は、山口県宇部市で施工させて戴いた注文住宅、新築工事で実際に制作した回転棚です。下の3段は三角の棚になっていて、左側の奥行きが広くなっています。これは高さがまだ低い位置ですので奥の方に小物を置いても手が届きます。上の2段は高さが高いですので奥行きが狭い棚にしています。実際に制作してみて、我ながら実に立派な物が出来たと『自己満足』をしました。

20数年前にご縁がありましたお客様の中に『特許申請』の仕事をされている方がおられ、申請にどの位の費用がかかるかを尋ねてみましたら、およそ100万円位必要ですと言われました。100万円をかけて果たしてこの回転棚が売れるかどうかが疑問でしたので、回転棚はこの試作一号で終わりです。

お施主様のこだわりを確実に『カタチ』にする、打ち合わせの途中で得た小さなヒントからでも適確な提案をする、自分がこの家の施主だったらここを無駄にしたくない…と云う案件を進言して本当にいい家を造る。自然素材とセルロースファイバーを使用して、住宅の内部から湧き出る様な健康住宅を造る。高気密・高断熱で寒い冬でも床暖房などいらない高性能な注文住宅、平屋の家であっても、リビングに吹き抜けやロフトなども自由に造る事を惜しまないトータルハウジングでした。

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